モンキーポットのカウンターのある家

札幌市内に程近い場所に建つあるマンションのリノベーション。
一棟40戸ほどの集合住宅です。およそ築30年とは思えないくらいに全体的にメンテナンスされておりました。
施主様が出せる予算は150万。
COOLなデザインではなく、ゆったりくつろげて落ち着ける場所としての住まいにしてほしい、という要望からこのプロジェクトはスタートしました。

リノベーションする前の中の様子はこちら

改修前のプランはリビングダイニングと6畳の和室が2部屋隣り合い、玄関・水廻りコアを挟んで反対側に洋室が2部屋というものです。

子供部屋としての洋室。和室は親の寝室・家事作業場・納戸としても機能するという、1970年前後によく作られた集合住宅のプランです。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

『くつろぎの空間』をこれだけの面積全てを予算内でリノベーションするには無理がありました。

それをクリアするための3つのコンセプト


1)割りきって手を加えない

 

キッチン、ユニットバス、トイレ、など水廻りは全く改修を行ってません。前のオーナー様が綺麗に使っていただいていたことに感謝です。もともと和室だった場所にあった古き良き押し入れも全くそのまま。そこは広々としたウォークインクローゼットになりました。手を加えないでそれを隠すように壁で囲う。これなしでは解決できません。


2)居る場所/くつろぐ空間を見極めて必要以上につくらない

どんなに広い家でも生活パターンはだいたい決まってきます。加えて、視線に入るもので空間の感じ方が決まるので、前述の『手をくわえない場所を囲う壁』の配置・デザインで、居る場所/くつろぐ空間をつくることを考えました。

シンプルにデザインすることは最もよく使われるテクニックではありますが、真っ白なクロスに光がさして幻想的にグラデーションをつくっているのを発見したりすると、効果はとても計り知れないと思ったりします。

リビングダイニングとしてオープンだった台所は、カウンターで取り囲み、収納力をUPしつつ、普段食器などを出しっぱなしにしても目立たないようにちょっと工夫してあったりします。

 

3)未完の空間として考え、住みながら作ることを楽しむ

手を加えなかった場所もいずれ更改していく予定です。

さらに、ラワン合板にウッドワックス仕上げをした壁には日本画を描く!!なんて将来の夢は広がっているようでした。

幅約400mmで割りつけてあるのでもしものときにはそこだけ張り替えることも可能です。

下地に使われるほど安価な建材ですが、肌理の揃ったラワン材を板状にした木なので丁寧に仕上げてあげることで表情がとても豊かになるんです。チークやマホガニーに匹敵するとはいきませんが、ホワイトラワンという高級木材もあるほどラワン材の表情は以外にも美しいものです。

実際工事はウッドワックス1度塗のみで、それだけでも十分だったのですが、さらに蜜蝋ワックスを塗って丁寧に磨くことで光沢も増しました。塗料も安全で、誰でもメンテナンスをすることができます。ビニールクロスはそうはいかないですよね。一度張ったらあとは破れるか汚れていくだけ。

 


                                                                                                                                    

                                                                                                                                                             

●題名にしているモンキーポッドですが、♪~この木なんの木♪で知られる別名アメリカネムノキの無垢材です。はじめこのカウンターにはマホガニーを使う予定でしたが、ラワン材が思いがけず高級感を出すことが判り、「せっかく無垢の木を使うのだから壁と同等化させてしまってはもったいない」ということで、モンキーポッドにしたのでした。食事の用意をする時、食器や食材はこのカウンターに一度とどまり、それから運ばれていきます。その行動はほんの僅かな時間ですが、毎日の食事を彩る演出をするためのこのカウンターは、生活に重要な意味を与える部分と考えています。

実際モンキーポッドは材料としてはそれほど硬くもなく、水に強いわけでもないので本当はカウンターに向いてはいませんが、そこは考え方次第。傷や汚れ、あるいは焦げは味になっていくはずです。傷んだ時はカンナをかけて何十年も大事に使えるのが無垢材の良いところです。

この集合住宅は、年代的な要因もあって5階建なのにエレベーターを付けない設計とした代わりに、優れた居住性を獲得しているのです。長期的な維持修繕費が格段に安く済んでいることも大きなメリットです。

このマンションの計画に採用されている、階段室から各住戸へアプローチする住戸計画は、採光・風通しに優れた計画です。合理性が最優先要求される近年の集合住宅では、小規模の集合住宅かちょっとした高級マンションでしか用いられてません。

現在では5階建でエレベーター無しの計画はほぼ不可能でしょう。ですが、そういう教科書的な発想ばかりではこの住戸独特の居住性は生まれなかったはずです。そういう意味では建築遺産としてこの建物を捉えています。

より良くカスタマイズしながら出来る限り長くこの場所を住まいとして生活して欲しいと思っております。

 

 

 

 

 

YUlAN design studio

“ユラン デザインスタジオ”では・・・

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住まいの新しいベーシック

タマホームが主催したデザインコンペに応募した作品です。

テーマは『住まいの新しいベーシック』

どこが新しいかと言いますと、プランニングのフレキシビリティーや可変性は機能性や住宅のウリとして考えられていますが、それではどこかもったいないのではと。可変性があるだけでストーリーが広がるので、住宅の使用価値としてもっともっと可能性の広がることではないかと考えています。クラウドやビックデータはその助けになる時代はもう来ています。ただ、それを待っているだけではダメで、こちら側には住宅リテラシーみたいな準備が必要なのかなと思っていることを、このアイディアコンペにぶつけました。

かどぐちハウス

大東建託が行っている第一回デザインコンペに応募した作品です。

テーマは『風景をつくる賃貸住宅』

住宅の風景で重要だと思うのは玄関先。つまり門口(かどぐち)だと考えました。賃貸住宅では中々充実した門口を実現することは難しいかもしれませんが、この“櫛型アプローチ”によってプライベート空間を確保しつつ、表情豊かな空間ができ、1階と2階の居住空間の優劣も最小限に計画できると考えました。

水のOrgan

2013年に行われたデザインコンペに応募した作品です。

テーマは『水の家』

“水は方円の器に従う”。環境と人間、人間と人間が向き合うということを、水の器官(Organ)を通して考える家を提案しました。

reversible

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4Suqare Grid City

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二人のアーティストの家

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Think wind/Think smoke

高層ビルのピロティに

50平米のカフェ空間を考える

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夫婦が共に成長する住まい

2008年三井デザインコンペのテーマです

このテーマから3つの異なるプランニングコンセプトを考えました

『四角い居間のある家』

『work space gallery を楽しむ家』

『コーナーとニッチのある家』

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ウサギちゃんカフェ

小規模カフェのためのコンセプト

『ウサギちゃんカフェ』

<計画中>

cake house

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re50 Style

「都心」「50㎡」「集合住宅」

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T学園 児童養護施設計画案

 

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上池台の集合住宅/sola

■集合住宅とオーナーハウスの提案です

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フィンランドバーチのシェルフ

 

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モンキーポットのカウンターのある家

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ひゆあつめ

小説家、作家の文章の巧さを決定づけるもののうち、特に比喩表現には興味がある。

フィルムに風景を焼き付けるフォトン(光の粒子)のごとく伝えたい内容を浮き彫りにしていくようなテクニックであるし、

境界線を曖昧にすることでよりリアルに感じさせるテクニックでもある。

レトリック研究の足元にも及ばないだろうけども、まずは『1Q84/村上春樹』の比喩表現を集めて、並べてみたい。

昆虫マニアが似たような羽虫を一つ一つ丁寧に箱の中に並べていくように、まずは収集してみよう。

もうこれで完成だよと言えるくらいまで敷き詰めたら、その箱は昨日までのガラクタではなく新しい意味が備わっているはずだ。

さっきまで散り散りに光っているだけだった星空が、一度星座の形を覚えるともう二度とノイズとして認識しないように。

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CITY-ART Museum in TOKYO⑫

 

 「大気の都市のミュージアム」

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 「東京美景」

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CITY-ART Museum in TOKYO⑩

「都市の神秘そして神秘の都市」

 

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 「都市の無限」

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SALON K

独立を準備している、ある若い美容師のための店舗併用住宅の提案です。

 

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10+1 「都市NODEの現在」/social landscape

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