都市というものの正体を俯瞰ではなく、ワークショップに参加したそれぞれの視点で観察するというもの。
“NODE”というのは1960年に刊行したケビンリンチの著書『The Image of the City(和名:都市のイメージ)』で述べられている5つのエレメントの1つである。
現在の都市では、もはや通用しなくなってしまったケビンリンチの都市論であるが、[NODE:結節点] だけは現在の都市を考える上で重要なキーワードになると主催者は考えていたようだ。折しも2000年前後は複雑系、アフォーダンスなどこれまでの科学的思考の限界に対して批判と転換を迫る時代だった。
現象を考えるときすでに現れた結果や出来上がった形を分析することへの限界。
それに対して、ここでは物と物との間で起こっている観察不可能な現象へ思考をシフトしていくこと、NODE、結節点、ハブという概念が重要な役割を果たしていること、それらをどのように体系づけて次のステップへつなげることができるのか、その入口となる作品となった。